対象の材料が鉄・木・ボード・ALCなどの場合はドライバードリルを使用する場合が多い。(例1:ドライバードリルでの穴あけ

コンクリート・石・タイルなどには震動ドリルハンマードリルを使用します。(例2:震動ドリルでの穴あけ)(例3:ハンマードリルでの穴あけ

(震動ドリルとハンマードリル…何がどう違う?)

インパクトドライバーでも軽い穴あけなら出来なくはありませんが、おススメしません。特に、コンクリートならインパクトで大丈夫でしょ。と言われる方がたまにいますが、都市伝説だと思います。

以下 なんとなくの対応表

例1

ドライバードリルでの穴あけ

(想定:HUB盤壁面設置の準備作業・盤背面のアンカー位置に10㎜の穴をあける)

墨を出しポンチを打つかマーキングする。

 ・バランスよく均等な位置にすること

 ・ワッシャーが収まる余裕を見ること

 ・将来の搭載物やケーブル入線に邪魔にならないこと

養生

 ・床に穴を開けないよう配慮する。盤の空き箱を利用するか当て木などを用意して、養生の上で作業する。

 ・切子が散らばらないようにする。(ビニールは熱で溶けてしまうので注意)

 ・落ちた切子の上で盤を動かすと傷がついてしまうのでハンディーなホウキや掃除機を用意する。

切削

・ドリル刃を垂直に保ち墨の中心から外れないようにあててゆっくり回し始め適宜の速度で切削する。

 太径は低回転、細径はやや高回転。材料が厚い場合やステンレス製で硬い場合は切削オイルを使う。

・終盤強く押しながら高回転させると反対側にバリが強く反り出てしまうので、最後は特に丁寧に。押しを弱くすれば誤って床に穴をあけるリスクも減らせる。

 抜き切る前に裏返して反対から開けるか、ステップドリルなど大きい刃で飛び出たバリを軽く擦ってやってもきれいに仕上がる。

例2

震動ドリルでの穴あけ

(想定:モール立ち下げの為固定用のビス穴をコンクリート壁にあける)

・モールにあらかじめビス固定用の穴を4.5㎜程度であけておく。

・垂直になるようにモールを壁に当てて下穴に合わせてマーキングする。

 ※ 壁・柱の端の方に設置しようとするとドリルの振動で割れてしまう危険があるので、最低限ビス深さ分以上は端から離す。

養生

・コンクリートの粉が散らばるので、床・付近の機器を養生する。

・空調が効いている場合は、風で広がる場合もあるので風が当たらなくする養生も考える。

・助手がいれば直接横で掃除機で吸い込んでもらうのもいいが、上下作業にならないよう気を付ける。

ドリル刃の先から25㎜開けた所にテープを先端から見て右巻きで巻き付け帯状に折り返し目印にする。

壁面に対し垂直に刃先を当て、先端が安定するまで低回転で回す。

先端が安定したら、垂直に押すイメージで回転を上げマークまで進める。

回転させたままドリル刃をまっすぐ抜く。(途中、穴とドリル刃の隙間から粉塵が ”プシュッ!” と飛び出すことがあるので気を付ける。)

 

例3

ハンマードリルでの穴あけ

(想定:ラック架台アンカー固定のためコンクリート床にM12アンカー用の穴をあける)

・形状をよく見て墨を出す。前後左右違えない。

スキャナーを使い、鉄筋に当たらないようにする。

・マーキングは、点・丸だけでなく線も入れてずれを防ぐ。

・最初はずれが出ないようゆっくり回す。打ち込みが弱い分正確に位置合わせができる。

・刃先が決まったら徐々に強めると回転は速く打ち込みは強くなるので、進みに合わせて垂直に押し込む。

・途中進みが止まったり、音が変わったりしたら切削をやめて穴を確認する。

  (砕石や鉄筋に当たって刃先が曲がった方向に進むと穴が斜めになったり変に広がったりする。砕石なら細い刃に切り替え出てる石を割ってしまう。鉄筋ならあきらめて補修して、穴位置を変えてやり直す。補修をしなかったりいい加減にすると、鉄筋がさびて膨張し躯体を痛めるので注意)

・必要深さに達したら、ブラシ・ブロアーを使って粉塵を清掃する。